羽毛布団の産地はどう選ぶ? 羽毛布団の選び方:産地ごとの違いとは?

掛布団の選び方

今回は「お店では教えてくれない羽毛の選び方」シリーズで、羽毛の産地についてです。
羽毛布団によくある「産地付き」というステータス。なんとなく産地がついていた方がいいのかな~というくらいでもいいのですが、実は産地によって特徴と注意してほしい部分があります。
ここでは一般的に「こんな感じ」という産地による違いや特徴を説明させていただくことにします。
※すべての羽毛にこれが当てはまるわけではないのでご注意ください><

それでは行ってみましょう!

 



〇ポーランド


まず、品質は高いですが、価格も高いです。笑
ダックの生産はそれほどですが、国家戦略としてグースの生産に注力している国です。なのでグースに関しては国を挙げて飼育に取り組んでいる為品質が高く、それでいて品質が安定していると言われています。また、小規模な農家が多く、工業的ではなく、大切に育てられていることが多いので羽毛としての品質が高いのです。※なぜ小規模農家の方が品質が良いと言われているかは後程解説させていただきます。

〇ハンガリー


大規模農場が多く、安定した物量を確保できるため比較的安価なものもあります。主に食肉用として数々の品種改良を行っている為、鳥種が多くトレーサビリティに少し問題があるらしいです。価格面でも比較的安定しています。

〇カナダ


ドイツ系移民である「ハテライト」コロニーを中心とした昔ながらの飼育環境が残っている地域です。広い敷地で鳥にとってストレスの少ない(自然に近い)環境で飼育されるため、非常に高品質な羽毛が採れます。また、愛情をもって飼育されるので社会的にも共感を得られやすい部分がありますね。

 



〇フランス


主にフォアグラ目的で飼育されるためダックが多い。一般的な食肉目的よりも飼育期間が長く、大きな羽毛が採れる一方で、羽毛にも油脂分が多くなり、臭いが出やすいというデメリットがある場合もあります。近年トレーサビリティが問題になり、信頼の回復に注力しているとかなんとか…。

〇ロシア


シベリア産など、極寒の土地で飼育される原料にはプレミアムなものもある。ヨーロッパ向けに飼育を拡大しているが、まだまだほかの国に比べて精毛技術に課題が残る。そのため、日本で使う場合は国内で洗浄するか、台湾などの高品質な工場で精毛・洗浄してから商品になることが多い。

〇イギリス


北京ダックで有名?なチェリバレー牧場から名前を採ったチェリバレー種が有名。日本国内で出回る量は少なめ。品質は「ほどほど」というイメージ。

〇中国


中国国内様々な地域で生産が行われており、生産量も世界最大。実は世界の羽毛生産の7割超を占める羽毛大国である。品質も様々で、北部では世界有数の高品質な羽毛が採れるものから粗悪な原料まで多様に存在する。中国羽毛に関しては産地偽装問題やグルーダウン(薬品でファイバーをくっつけて羽毛に見せかける技術)の問題など、様々な偽装問題を抱えている為、信頼のおける原料商から、工場、販売ルートを見分けるのが大切です。

 



羽毛の品質は「生育期間」「飼育環境」「精毛技術」に左右されます。今回のテーマである「産地」は上記3点のすべてに影響を及ぼす大事な指標です。

まずは飼育環境ですが、これが国や地域によって一番大きな差が出る部分です。中国などの一部地域では羽毛の生産がまるで工場のように機械的に行われていることがあります。いかに少ないスペースで効率よく育て、効率よく出荷していくかを追求した方式です。
もちろん、こういった効率を求めた育成方式を否定するわけではありませんが、動物愛護などの観点からも異論が唱えられることはあります。
ポーランドの「ホワイトコウダ」や、カナダの「コロニアルグース」など、高品質で知られる羽毛の生育環境は寒いだけでなく、とても自然環境に近くて鳥へのストレスが少ない環境で大切に育てられています。
羽毛は工業製品でなく、生き物からの贈り物であることを思えば生育環境も大切であることがわっていただける思います。

いかがだったでしょうか。
羽毛布団を選ぶ際には産地にも気をつけてみていただけると新たな視点が見えてくるかもしれません。
きっとあなたに合った羽毛布団が見つかるはずです。

それではまた!

 



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