寝具選びにお悩みの皆様こんにちは。
今回は「お店では教えてくれない羽毛布団の選び方」の続編で、生地・キルトの知識編です。
「羽毛布団なんて中身の羽毛が良くて値段が安ければそれでいいでしょ!」
と思われるかもしれませんが、なかなか奥が深いのが羽毛布団の世界です。
羽毛布団に関しては、大きく以下の3要素で性能の良し悪しが決まります。
①羽毛の品質
②生地の素材と織り方
③キルト(キルティング)
前回の記事に少し抜けがあったので補足しますと、3つそれぞの品質はこれらの性能に影響を与えます。
①羽毛=保温性、耐久性、臭い
②生地=通気性、吸湿発散性、肌触り、軽さ
③キルト=保温性、耐久性、ズレにくさ、放湿性など
この中の①羽毛については前回の記事↓を参考にしてください。
→https://cele-ske.com/umou-umou/119/
では、前回の羽毛編に引き続き、今回は生地について詳しくご説明させていただきます。
まずは生地の種類にはどんなものがあるかについてです。
羽毛布団に使われる生地で多いのが以下のようなものです。
・ポリエステル100%
評価:価格が安く、普及品のものに多く使われる生地です。ポリエステルは強度が高い繊維なので洗濯耐性も高く、ダウンケットなど、洗われることが前提の商品に多く採用されます。綿素材と比較して吸湿性が悪く、蒸れやすい上、シャカシャカとした肌触りが好まれない場合も多いです。近年は細い糸を使ったり、仕上げをふんわりと起毛させた「ピーチスキン加工」を施したり、様々な工夫により肌触りの改善を図っています。
・ポリエステル85%綿15%
評価:通称T/TC。綿素材を15%配合することで綿の持つ柔らかな肌触りと吸湿性を出すために採用された方式。比較的低価格な商品に多い生地です。ポリエステルの軽量さを優先して85%使われているので、性能的にはポリエステルに近いですが、やや肌触りが良く、使い勝手の良い生地で多くの羽毛布団に採用されています。
・ポリエステル65%綿35%(配合が多少違う生地もあります)
評価:通称TC。上記T/TCの綿配合率を上げたもの。さらに綿に近い機能を持たせるため、生地の織り方にも工夫が施され、肌に触る面には綿が、裏側にはポリエステルが出るように織られているものもあり、肌触りは限りなく綿100%に近いものになってきます。このあたりから洗うのが難しくなるので洗えるダウンケットへの採用は減ってきます。
・綿100%
評価:化学繊維と比べて吸湿性が高く、羽毛本来の性能を遺憾なく発揮できる生地です。ポリエステルに比べて重いのでパワーのない羽毛だとかさ高が出せず、ボリューム感が出ないことも。また、少しデリケートな部分もあるので取り扱いには注意が必要です。
一言で綿100%と言っても糸の細さ(番手)と織り方の種類により多様なパターンがあります。
ここでは一部メジャーなものだけをご紹介します。
【綿の番手】※数字が大きいほど細い。単糸とか双糸とかありますがここでは割愛…
〇40番手
比較的太い糸です。平織で作られることが多く、少しごわついた印象になります。綿100%の中では安い商品に使われる傾向があります。綿100%の普及品ですね。
〇60番手
少し細い番手です。このあたりから「超長綿」と呼ばれたりする高級なものも混ざってきます。ツイルやサテンで織られることが多い印象です。普通に肌触りの良い商品になるのでこのあたり以上を選ぶのがおすすめです。
〇80番手
なかなかの高級品に使われることが多い細番手の糸を使用しています。サテンで織られることが多く、かなり滑らかな肌触りになるので使っていて高級感を感じられるのはこのあたりからです。
〇100番手~
希少な高級羽毛布団(多分生産量の1%以下の)に使われる高級な生地として織られます。昔は結構あったそうですが、最近ほとんど見なくなりました^^;
【織り】
◇平織
縦糸1本、緯糸1本を交互に織ったもの。
強度が高くなりますが、肌沿いが悪く、布団としてはごわっとした感じに仕上がってしまいます。
◇綾織(ツイル)
縦糸と緯糸を1本飛ばしで織ったもの。
斜めに畝のような模様ができるのが特徴。デニムなどのパンツの生地というと分かりやすいかも?
平織に比べて柔らかく仕上がります。強度と肌触り、バランスの良い生地になります。
◇朱子織(サテン)
縦糸と緯糸を2~4本飛ばしで織ったもの。パターンが多いのでここでは割愛します。
ツイルよりもさらに柔らかく、なめらかな生地に仕上げることができます。
基本的には強度よりも肌触りを優先した高級品によく使われます。
羽毛布団の生地の記事(ギャグではない…)だけで結構なボリュームになってしまいました^^;
本当は綿とポリエステル以外にも多くの種類があるのですが、書ききれないので割愛させていただきました…。
ただ、ほとんどの羽毛布団は上記の内容の組み合わせで作られていますのでこれだけの知識があれば十分だと思われます。
個別に質問等がありませいたら問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください^^
寝具はシンプル構造なので簡単に作られているのかと思いきや、種類と組み合わせがたくさんあってどれを選べば良いのか本当に難しいものですよね。
今回の記事が少しでもあなたの寝具選びの参考になれば幸いです。
それではまた!
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