敷布団や枕素材、期待の新星「ウレタンフォーム」種類と作り方

寝具に使われる素材

今回は素材のお話。
枕や敷布団などに最近よく使われる「ウレタンフォーム」についてご説明させていただきます。
今日のメニューは以下。

一部:ウレタンフォームの作られ方
二部:ウレタンフォーム種類と特徴

一部 ウレタンフォームの作られ方についてです。
そもそもウレタンってなんぞや?ということですが、敷布団に使われる素材の一種で、正式には「ウレタンフォーム」という素材のことです。

敷布団のほかにもソファや車のシート、防音材や緩衝材としてもよく使われています。
身近なものだと、台所のスポンジなどですね。

どのように作られるかを簡単に説明すると「薬剤を混ぜ合わせ、化学反応で発泡させ、それを安定化させたもの」といった感じになりますが、よくわかりませんよね^^;
少し画像を入れてご説明します。

 



まず、ポリオールとイソシアネートという物質を混ぜます。↓
※こちらの画像はウレタン発泡工場を見学させていただいたときに撮影させていただきました。

次に、それをかき混ぜると…↓

膨らんできます…!↓

この時、化学反応で熱が出て熱くなります。ウレタンフォームは冷えると固まり、発砲した状態のまま形質が安定するので、これでようやく敷布団の材料として使える状態になります。

といった感じで作られる材料を使って寝具が作られているわけです。
ちなみに細かいお話をすると寝具に使われるウレタンフォームの成型方法も2種類あり、大きな塊を作って発泡し、その後カットして加工する方法を「スラブ成型」、あらかじめ作っておいた型に薬剤を流し込んで発泡する「モールド成型」の2種類があります。

二部 次に、ウレタンフォームの種類についてお話します。
ウレタンフォームには混ぜる材料の配分で固さや特性を変えることが可能です。
その特徴によっていくつかの分類に分けることができます。
※今回は寝具で取り扱われるものに絞っています。

①低反発
 テンピュールやトゥルースリーパーでおなじみ、低反発フォームと呼ばれるものもウレタンの一種です。じんわりと沈み込み体重を上手に分散してくれます。一方で高い密度が求められるので、重く、通気性が悪く蒸れやすいのが難点となります。

②高反発
 正式に「高反発」と呼ばれるウレタンフォームは存在しませんが、あまりにも一般的に普及したので後から追加されました。低反発ではない、一般的な硬度のウレタンフォームを指すことが多いようです。ちょっと基準が曖昧な種類です^^;

③高硬度
 こちらは単純に硬さを求めたウレタンフォームです。過度に固くすれば軽量で石のように硬いもの作ることができますが、千切れやすくなったり、圧力に対して復元しなくなったりします。何事もほどほどが大切です。固いマットレスとかにおすすめ

④高弾性フォーム
 高反発と混同されやすいですが、こちらは跳ね返る力が強いゴムのような性質を持ったウレタンフォームです。高弾性を名乗るには「反発弾性50%」以上という基準があり、例えば1mの高さからボールを落として50cm以上の高さまで跳ね返らなければ名乗ることができません。
※メーカーによって基準は違いますがおおむねこんな感じです。
ちょっと高級な寝具で西川さんのムアツ布団(昔のモデル)に使われていました。

⑤高触感フォーム
 少し特殊なウレタンフォームで、一部の工場でしか扱っていません。柔らかいのに弾性が高く、湿気を含むので少ししっとりひんやりした独特な触感が特徴です。
非常に気持ちが良い素材なのですが、とにかく高価な上に加工が難しく、製品化しにくいのが悩みどころです^^;
※あまり市場で見かけないので軽い説明だけにしておきます…

⑥脱膜(ムマク)
 通気性を持たせたウレタンフォームです。通常のウレタンは通気性が悪いですが、このタイプはウレタンフォームの発砲後、爆発の力でセルと呼ばれる膜を吹き飛ばし、通気性を確保したものです。
通気性が良いので寝具との相性はいいのですが、値段が高かったり肌触りが悪かったりするので一部分でのみ使われることが多いですね。

いかがだったでしょうか?
今回は素材の話で面白くなかったかもしれませんが、今後、今回の記事をベースにおすすめ寝具を紹介したいと思っていますのでお楽しみに。

それではまた!

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